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犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律
情報の種類 主要な人権関係法律
タイトル 犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律
時期 2008/04/18
主体名
【 内容 】

犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律
(昭和五十五年五月一日法律第三十六号)


最終改正:平成二〇年四月一八日法律第一五号



(目的)
第一条  この法律は、犯罪行為により不慮の死を遂げた者の遺族又は重傷病を負い若しくは障害が残つた者の犯罪被害等を早期に軽減するとともに、これらの者が再び平穏な生活を営むことができるよう支援するため、犯罪被害等を受けた者に対し犯罪被害者等給付金を支給し、及び当該犯罪行為の発生後速やかに、かつ、継続的に犯罪被害等を受けた者を援助するための措置を講じ、もつて犯罪被害等を受けた者の権利利益の保護が図られる社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「犯罪行為」とは、日本国内又は日本国外にある日本船舶若しくは日本航空機内において行われた人の生命又は身体を害する罪に当たる行為(刑法 (明治四十年法律第四十五号)第三十七条第一項 本文、第三十九条第一項又は第四十一条の規定により罰せられない行為を含むものとし、同法第三十五条 又は第三十六条第一項 の規定により罰せられない行為及び過失による行為を除く。)をいう。
2  この法律において「犯罪被害」とは、犯罪行為による死亡、重傷病又は障害をいい、犯罪行為の時又はその直後における心身の被害であつてその後の死亡、重傷病又は障害の原因となり得るものを含む。
3  この法律において「犯罪被害者」とは、犯罪被害を受けた者をいう。
4  この法律において「犯罪被害等」とは、犯罪被害及び犯罪行為により不慮の死を遂げた者の遺族が受けた心身の被害をいう。
5  この法律において「重傷病」とは、負傷若しくは疾病が治り、又はその症状が固定する前における当該負傷又は疾病に係る身体の被害であつて、当該負傷又は疾病の療養の期間が一月以上であつたことその他政令で定める要件を満たすものをいう。
6  この法律において「障害」とは、負傷又は疾病が治つたとき(その症状が固定したときを含む。)における身体上の障害で政令で定める程度のものをいう。
7  この法律において「犯罪被害者等給付金」とは、第四条に規定する遺族給付金、重傷病給付金又は障害給付金をいう。

(犯罪被害者等給付金の支給)
第三条  国は、犯罪被害者があるときは、この法律の定めるところにより、犯罪被害者又はその遺族(これらの者のうち、当該犯罪被害の原因となつた犯罪行為が行われた時において、日本国籍を有せず、かつ、日本国内に住所を有しない者を除く。)に対し、犯罪被害者等給付金を支給する。

(犯罪被害者等給付金の種類等)
第四条  犯罪被害者等給付金は、次の各号に掲げるとおりとし、それぞれ当該各号に定める者に対して、一時金として支給する。
一 遺族給付金 犯罪行為により死亡した者の第一順位遺族(次条第三項及び第四項の規定による第一順位の遺族をいう。)
二 重傷病給付金 犯罪行為により重傷病を負つた者
三 障害給付金 犯罪行為により障害が残つた者

(遺族の範囲及び順位)
第五条  遺族給付金の支給を受けることができる遺族は、犯罪被害者の死亡の時において、次の各号のいずれかに該当する者とする。
一  犯罪被害者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)
二  犯罪被害者の収入によつて生計を維持していた犯罪被害者の子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹
三  前号に該当しない犯罪被害者の子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹
2  犯罪被害者の死亡の当時胎児であつた子が出生した場合においては、前項の規定の適用については、その子は、その母が犯罪被害者の死亡の当時犯罪被害者の収入によつて生計を維持していたときにあつては同項第二号の子と、その他のときにあつては同項第三号の子とみなす。
3  遺族給付金の支給を受けるべき遺族の順位は、第一項各号の順序とし、同項第二号及び第三号に掲げる者のうちにあつては、それぞれ当該各号に掲げる順序とし、父母については、養父母を先にし、実父母を後にする。
4  犯罪被害者を故意に死亡させ、又は犯罪被害者の死亡前に、その者の死亡によつて遺族給付金の支給を受けることができる先順位若しくは同順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた者は、遺族給付金の支給を受けることができる遺族としない。遺族給付金の支給を受けることができる先順位又は同順位の遺族を故意に死亡させた者も、同様とする。

(犯罪被害者等給付金を支給しないことができる場合)
第六条  次に掲げる場合には、国家公安委員会規則で定めるところにより、犯罪被害者等給付金の全部又は一部を支給しないことができる。
一  犯罪被害者と加害者との間に親族関係(事実上の婚姻関係を含む。)があるとき。
二  犯罪被害者が犯罪行為を誘発したとき、その他当該犯罪被害につき、犯罪被害者にも、その責めに帰すべき行為があつたとき。
三  前二号に掲げる場合のほか、犯罪被害者又はその遺族と加害者との関係その他の事情から判断して、犯罪被害者等給付金を支給し、又は第九条の規定による額を支給することが社会通念上適切でないと認められるとき。

(他の法令による給付等との関係)
第七条  遺族給付金(第九条第五項の規定により加算する額に係る部分を除く。)及び障害給付金は、それぞれ死亡及び障害を原因として、犯罪被害者又はその遺族に対し、労働者災害補償保険法 (昭和二十二年法律第五十号)その他の法令による給付等で政令で定めるものが行われるべき場合には、その給付等に相当する金額として政令で定めるところにより算定した額の限度において、支給しない。
2  重傷病給付金及び遺族給付金(第九条第五項の規定により加算する額に係る部分に限る。)は、犯罪行為により生じた負傷又は疾病について、犯罪被害者に対し、同条第二項に規定する法律以外の法令(条例を含む。以下この項において同じ。)の規定により療養に関する給付(同条第二項に規定する給付期間におけるものに限る。)が行われるべき場合又はその療養のため従前その勤労に基づいて通常得ていた収入の全部若しくは一部を得ることができなかつたことを原因として労働者災害補償保険法 その他の法令の規定による給付(同条第三項に規定する休業日に係るものに限る。)が行われるべき場合には、それらの給付の限度において、支給しない。

(損害賠償との関係)
第八条  犯罪被害を原因として犯罪被害者又はその遺族が損害賠償を受けたときは、その価額の限度において、犯罪被害者等給付金を支給しない。
2  国は、犯罪被害者等給付金を支給したときは、その額の限度において、当該犯罪被害者等給付金の支給を受けた者が有する損害賠償請求権を取得する。

(犯罪被害者等給付金の額)
第九条  遺族給付金の額は、政令で定めるところにより算定する遺族給付基礎額に、遺族の生計維持の状況を勘案して政令で定める倍数を乗じて得た額とする。
2  重傷病給付金の額は、犯罪行為により生じた負傷又は疾病の療養についての犯罪被害者負担額(当該犯罪行為により負傷し、又は疾病にかかつた日から起算して政令で定める期間を経過するまでの間(以下この項及び次項において「給付期間」という。)における療養に要した費用の額として政令で定めるところにより算定した額から、健康保険法 (大正十一年法律第七十号)その他の政令で定める法律の規定により当該犯罪被害者が受け、又は受けることができた給付期間における療養に関する給付の額を控除して得た額(当該犯罪被害者がこれらの法律の規定による療養に関する給付を受けることができない場合その他政令で定める場合にあつては、当該控除して得た額に相当するものとして政令で定める額)をいう。次項及び第五項において同じ。)とする。
3  犯罪被害者が犯罪行為により生じた負傷又は疾病の療養のため従前その勤労に基づいて通常得ていた収入の全部又は一部を得ることができなかつた日(給付期間内の日(当該収入の全部又は一部を得ることができなかつた日の第三日目までの日を除く。)に限り、当該犯罪被害者が刑事収容施設、少年院その他これらに準ずる施設に収容をされた場合(国家公安委員会規則で定める場合に限る。)にあつては、当該収容をされていた日を除く。以下この項及び第五項第二号において「休業日」という。)がある場合における重傷病給付金の額は、前項の規定にかかわらず、犯罪被害者負担額に、政令で定めるところにより算定する休業加算基礎額に当該休業日の数を乗じて得た額(当該休業日に当該犯罪被害者が従前その勤労に基づいて通常得ていた収入の一部を得た日(以下この項において「部分休業日」という。)が含まれるときは、当該休業加算基礎額に当該休業日の数を乗じて得た額から、当該部分休業日について得た収入の額を合算した額を控除して得た額。第五項第二号において「休業加算額」という。)を加えた額とする。
4  前二項の規定により算定した額が第七条第二項に規定する法令の規定による給付との均衡を考慮して政令で定める額を超える場合における重傷病給付金の額は、前二項の規定にかかわらず、当該政令で定める額とする。
5  犯罪被害者が犯罪行為により生じた負傷又は疾病について死亡前に療養を受けた場合における遺族給付金の額は、第一項の規定にかかわらず、同項の規定により算定した額に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める額(その額が前項の政令で定める額を超えるときは、当該政令で定める額)を加えた額とする。
一  次号に掲げる場合以外の場合 当該療養についての犯罪被害者負担額
二  当該療養についての休業日がある場合 当該療養についての犯罪被害者負担額に休業加算額を加えた額
6  遺族給付金の支給を受けるべき遺族が二人以上あるときは、遺族給付金の額は、第一項及び前項の規定にかかわらず、これらの規定により算定した額をその人数で除して得た額とする。
7  障害給付金の額は、政令で定めるところにより算定する障害給付基礎額に、障害の程度を基準として政令で定める倍数を乗じて得た額とする。

(裁定の申請)
第十条  犯罪被害者等給付金の支給を受けようとする者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、その者の住所地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)に申請し、その裁定を受けなければならない。
2  前項の申請は、当該犯罪行為による死亡、重傷病若しくは障害の発生を知つた日から二年を経過したとき、又は当該死亡、重傷病若しくは障害が発生した日から七年を経過したときは、することができない。
3  前項の規定にかかわらず、当該犯罪行為の加害者により身体の自由を不当に拘束されていたことその他のやむを得ない理由により同項に規定する期間を経過する前に第一項の申請をすることができなかつたときは、その理由のやんだ日から六月以内に限り、同項の申請をすることができる。

(裁定等)
第十一条  前条第一項の申請があつた場合には、公安委員会は、速やかに、犯罪被害者等給付金を支給し、又は支給しない旨の裁定(支給する旨の裁定にあつては、その額の定めを含む。以下同じ。)を行わなければならない。
2  犯罪被害者等給付金を支給する旨の裁定があつたときは、当該申請をした者は、当該額の犯罪被害者等給付金の支給を受ける権利を取得する。
3  犯罪被害者について重傷病給付金又は障害給付金を支給する旨の裁定があつた後に当該犯罪被害者が当該犯罪行為により死亡したときは、国は、当該重傷病給付金又は障害給付金の額の限度において、当該犯罪被害者の死亡に係る遺族給付金を支給する責めを免れる。

(仮給付金の支給等)
第十二条  公安委員会は、第十条第一項の申請があつた場合において、犯罪行為の加害者を知ることができず、又は犯罪被害者の障害の程度が明らかでない等当該犯罪被害に係る事実関係に関し、速やかに前条第一項の裁定をすることができない事情があるときは、当該申請をした者(次条第一項及び第三項において「申請者」という。)に対し、政令で定める額の範囲内において、仮給付金を支給する旨の決定をすることができる。
2  国は、前項の決定があつたときは、仮給付金を支給する。
3  仮給付金の支給を受けた者について犯罪被害者等給付金を支給する旨の裁定があつたときは、国は、仮給付金の額の限度において犯罪被害者等給付金を支給する責めを免れる。この場合において、当該裁定で定める額が仮給付金の額に満たないときは、その者は、その差額を返還しなければならない。
4  仮給付金の支給を受けた者について犯罪被害者等給付金を支給しない旨の裁定があつたときは、その者は、仮給付金に相当する金額を返還しなければならない。
5  仮給付金の支給を受けた犯罪被害者又はその遺族について、犯罪被害者等給付金を支給し、又は支給しない旨の裁定がある前に当該犯罪被害者又はその遺族が死亡したときは、国は、当該仮給付金の額の限度において、当該犯罪被害者の死亡に係る遺族給付金又は当該遺族が支給を受けようとしていた遺族給付金と同一の犯罪被害を支給原因とする遺族給付金を支給する責めを免れる。

(裁定のための調査等)
第十三条  公安委員会は、裁定を行うため必要があると認めるときは、申請者その他の関係人に対して、報告をさせ、文書その他の物件を提出させ、出頭を命じ、又は医師の診断を受けさせることができる。
2  公安委員会は、裁定を行うため必要があると認めるときは、犯罪捜査の権限のある機関その他の公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
3  申請者が、正当な理由がなくて、第一項の規定による報告をせず、文書その他の物件を提出せず、出頭をせず、又は医師の診断を拒んだときは、公安委員会は、その申請を却下することができる。

(国家公安委員会規則への委任)
第十四条  第十条から前条までに定めるもののほか、裁定の手続その他裁定に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

(不正利得の徴収)
第十五条  偽りその他不正の手段により犯罪被害者等給付金(仮給付金を含む。以下この項及び第十九条において同じ。)の支給を受けた者があるときは、国家公安委員会は、国税徴収の例により、その者から、その支給を受けた犯罪被害者等給付金の額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができる。
2  前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

(時効)
第十六条  犯罪被害者等給付金の支給を受ける権利は、二年間行わないときは、時効により消滅する。

(犯罪被害者等給付金の支給を受ける権利の保護)
第十七条  犯罪被害者等給付金の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。

(公課の禁止)
第十八条  租税その他の公課は、この法律により支給を受けた金銭を標準として、課することができない。

(戸籍事項の無料証明)
第十九条  市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市にあつては、区長とする。)は、公安委員会又は犯罪被害者等給付金の支給を受けようとする者に対して、当該市(特別区を含む。)町村の条例で定めるところにより、犯罪被害者又はその遺族の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。

(事務の区分)
第二十条  第十一条第一項、第十二条第一項及び第十三条の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号 に規定する第一号 法定受託事務とする。

(地方自治法 の特例)
第二十条の二  前条に規定する事務についての地方自治法第二百四十五条の四第一項 及び第三項 、第二百四十五条の七第一項、第二百四十五条の九第一項並びに第二百五十五条の二の規定の適用については、同法第二百四十五条の四第一項 中「各大臣(内閣府設置法第四条第三項 に規定する事務を分担管理する大臣たる内閣総理大臣又は国家行政組織法第五条第一項 に規定する各省大臣をいう。以下本章、次章及び第十四章において同じ。)又は都道府県知事その他の都道府県の執行機関」とあるのは「国家公安委員会」と、同条第三項 中「普通地方公共団体の長その他の執行機関」とあるのは「都道府県公安委員会」と、「各大臣又は都道府県知事その他の都道府県の執行機関」とあるのは「国家公安委員会」と、同法第二百四十五条の七第一項 中「各大臣は、その所管する法律」とあるのは「国家公安委員会は、犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律(昭和五十五年法律第三十六号)」と、同法第二百四十五条の九第一項中「各大臣は、その所管する法律」とあるのは「国家公安委員会は、犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律」と、同法第二百五十五条の二第一号中「都道府県知事その他の都道府県の執行機関」とあるのは「都道府県公安委員会」と、「当該処分又は不作為に係る事務を規定する法律又はこれに基づく政令を所管する各大臣」とあるのは「国家公安委員会」とする。

(不服申立てと訴訟との関係)
第二十一条  第十一条第一項の裁定の取消しを求める訴えは、当該裁定についての審査請求に対する国家公安委員会の裁決を経た後でなければ、提起することができない。

(犯罪被害者等の支援)
第二十二条  警視総監若しくは道府県警察本部長又は警察署長(以下「警察本部長等」という。)は、犯罪被害等を早期に軽減するとともに、犯罪被害者又はその遺族(以下「犯罪被害者等」という。)が再び平穏な生活を営むことができるよう支援するための措置として、犯罪被害者等に対し、情報の提供、助言及び指導、警察職員の派遣その他の必要な援助を行うように努めなければならない。
2  警察本部長等は、前項の規定に基づく措置をとるに当たつては、関係する機関の活動との連携及び調和の確保に努めなければならない。
3  公安委員会は、次条第一項に規定する犯罪被害者等早期援助団体その他の犯罪被害等を早期に軽減するとともに、犯罪被害者等が再び平穏な生活を営むことができるよう支援することを目的とする民間の団体(第五項において「犯罪被害者等早期援助団体等」という。)の自主的な活動の促進を図るため、必要な助言、指導その他の措置を講ずるように努めなければならない。
4  国家公安委員会は、第一項又は前項の規定に基づき警察本部長等又は公安委員会がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るための指針を定めるものとする。
5  国家公安委員会は、犯罪被害者等早期援助団体等が組織する団体に対し、当該犯罪被害者等早期援助団体等による犯罪被害者等の支援の適切かつ有効な実施を図るため、必要な助言、指導その他の措置を講ずるように努めなければならない。
6  前各項に定めるもののほか、国家公安委員会、公安委員会及び警察本部長等は、犯罪被害者等の支援に関する広報活動及び啓発活動を行うように努めなければならない。

(犯罪被害者等早期援助団体)
第二十三条  公安委員会は、犯罪被害等を早期に軽減するとともに、犯罪被害者等が再び平穏な生活を営むことができるよう支援することを目的として設立された営利を目的としない法人であつて、当該都道府県の区域において次項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、同項に規定する事業を行う者(以下「犯罪被害者等早期援助団体」という。)として指定することができる。
2  犯罪被害者等早期援助団体は、次に掲げる事業を行うものとする。
一  犯罪被害者等の支援に関する広報活動及び啓発活動を行うこと。
二  犯罪被害等に関する相談に応ずること。
三  犯罪被害者等給付金の支給を受けようとする者が第十条第一項の規定に基づき行う裁定の申請を補助すること。
四  犯罪行為の発生後速やかに、かつ、継続的に、犯罪被害者等に対し、物品の供与又は貸与、役務の提供その他の方法により援助を行うこと。
3  犯罪被害者等を援助する者は、前項に規定する事業を行うに当たつては、第一項の指定を受けないで、公安委員会指定という文字を冠した名称を用いてはならない。
4  警察本部長等は、犯罪被害者等早期援助団体の求めに応じ、犯罪被害者等早期援助団体が第二項第二号又は第四号に掲げる事業を適正に行うために必要な限度において、犯罪被害者等早期援助団体に対し、犯罪被害者等の同意を得て、当該犯罪被害者等の氏名及び住所その他当該犯罪被害の概要に関する情報を提供することができる。
5  公安委員会は、犯罪被害者等早期援助団体の財政の状況又はその事業の運営に関し改善が必要であると認めるときは、犯罪被害者等早期援助団体に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
6  公安委員会は、犯罪被害者等早期援助団体が前項の規定による命令に違反したときは、第一項の指定を取り消すことができる。
7  犯罪被害者等早期援助団体の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、第二項第二号から第四号までに掲げる業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は同項各号に掲げる事業の目的以外の目的のために利用してはならない。
8  犯罪被害者等早期援助団体は、第二項に規定する業務の遂行に当たつては、関係する機関及び団体の活動の円滑な遂行に配慮して、これらの活動との調和及び連携を図らなければならない。
9  第一項の指定の手続その他犯罪被害者等早期援助団体に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

(経過措置)
第二十四条  この法律の規定に基づき政令を制定し、又は改廃する場合においては、その政令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。

(政令への委任)
第二十五条  この法律に特別の定めがあるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

(罰則)
第二十六条  第二十三条第七項の規定に違反した者は、二十万円以下の過料に処する。

第二十七条  第二十三条第三項の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。

   附 則


(施行期日等)
1  この法律は、昭和五十六年一月一日から施行し、この法律の施行後に行われた犯罪行為による死亡又は重障害について適用する。
(警察法の一部改正)
2  警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。
 第五条中第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 前項に規定するもののほか、国家公安委員会は、法律(法律に基づく命令を含む。)の規定に基づきその権限に属させられた事務をつかさどる。
 第十二条の次に次の一条を加える。
 (専門委員)
第十二条の二 国家公安委員会に、犯罪被害者等給付金支給法(昭和五十五年法律第三十六号)の規定による裁定に係る審査請求について専門の事項を調査審議させるため、専門委員若干人を置く。
2 専門委員の任命、任期その他専門委員に関し必要な事項は、政令で定める。
 第十七条中「つかさどる」を「つかさどり、及び同条第三項の事務について国家公安委員会を補佐する」に改める。
 第二十二条中「左に」を「次に」に改め、同条に次の一号を加える。
   四 犯罪被害者等給付金に関すること。
   第三十七条第一項中「左に」を「次に」に改め、同項に次の一号を加える。
   九 犯罪被害者等給付金に関する事務の処理に要する経費
   第三十八条中第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項の次に次の一項を加える。
4 第五条第三項の規定は、都道府県公安委員会の事務について準用する。
 第四十六条第二項中「及び第五項」を「及び第六項」に、「第三十八条第五項」を「第三十八条第六項」に改める。
 第四十七条第二項中「つかさどる」を「つかさどり、並びに第三十八条第四項において準用する第五条第三項の事務について都道府県公安委員会を補佐する」に改める。

   附 則 (平成七年五月一二日法律第九一号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

   附 則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一  第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日

(国等の事務)
第百五十九条  この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。

(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2  この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。

(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条  施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
2  前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(手数料に関する経過措置)
第百六十二条  施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第百六十三条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
2  附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。

(検討)
第二百五十条  新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。

第二百五十一条  政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

第二百五十二条  政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。

   附 則 (平成一三年四月一三日法律第三〇号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、平成十三年七月一日から施行する。ただし、第二十三条を第二十五条とし、第二十二条を第二十四条とし、第二十一条の次に二条を加える改正規定及び本則に二条を加える改正規定は、平成十四年四月一日から施行する。

(経過措置)
第二条  この法律による改正後の犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律(以下「新法」という。)第四条、第七条及び第九条から第十二条までの規定は、この法律の施行の日以後に行われた犯罪行為(新法第二条第一項に規定する犯罪行為をいう。以下同じ。)による死亡、重傷病(新法第二条第三項に規定する重傷病をいう。)又は障害(新法第二条第四項に規定する障害をいう。)について適用し、同日前に終わった犯罪行為による死亡又は重障害(この法律による改正前の犯罪被害者等給付金支給法第二条第二項に規定する重障害をいう。)については、なお従前の例による。

   附 則 (平成二〇年四月一八日法律第一五号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、平成二十年七月一日から施行する。

(遺族給付金及び重傷病給付金に関する経過措置)
第二条  この法律による改正後の犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律(以下「新法」という。)第七条及び第九条第三項から第五項までの規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に行われた犯罪行為による死亡又は重傷病について適用し、施行日前に終わった犯罪行為による死亡又は重傷病については、なお従前の例による。

(犯罪被害者等早期援助団体に関する経過措置)
第三条  この法律の施行の際現にこの法律による改正前の犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律(以下「旧法」という。)第二十三条第一項の規定による指定を受けている者(以下「旧犯罪被害者等早期援助団体」という。)は、新法第二十三条第一項の規定による指定を受けた者(以下「新犯罪被害者等早期援助団体」という。)とみなす。
2  施行日前に前項の規定により新犯罪被害者等早期援助団体とみなされる旧犯罪被害者等早期援助団体に対してされた旧法第二十三条第五項の規定による命令は、新法第二十三条第五項の規定による命令とみなす。
3  この法律の施行の際現に第一項の規定により新犯罪被害者等早期援助団体とみなされる旧犯罪被害者等早期援助団体の役員又は職員であり、施行日において引き続き当該新犯罪被害者等早期援助団体の役員又は職員となったもの(次項において「継続役員等」という。)に対する新法第二十三条第七項の規定(これに係る罰則を含む。)の適用については、その者が旧法第二十三条第二項第二号から第四号までに掲げる業務に関して知り得た秘密は、その者が新法第二十三条第二項第二号から第四号までに掲げる業務に関して知り得た秘密とみなす。
4  旧犯罪被害者等早期援助団体の役員又は職員であった者(継続役員等を除く。)が旧法第二十三条第二項第二号から第四号までに掲げる業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は同項各号に掲げる事業の目的以外の目的のために利用してはならない義務については、施行日以後も、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第四条  施行日前にした行為及び前条第四項の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係る施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。