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「人権を学ぼう」コーナー

これから「人権」を学びたい人のために日本の主な人権課題をご紹介します。

感染症等

エイズ、肝炎、新型コロナウイルス感染症等、感染症に対する知識や理解の不足から、日常生活、職場、医療現場など社会生活の様々な場面で、差別やプライバシー侵害などの人権問題が発生しています。感染症についての正しい知識を持ち、この問題についての関心と理解を深めていくことが必要です。

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に対する正しい知識と理解は、いまだ十分とはいえない状況にあります。
HIVは、性的接触に留意すれば、日常生活で感染する可能性はほとんどありません。また、治療法の進歩により、仮にHIVに感染したとしても、早期発見及び早期治療を適切に行うことで、エイズの発症を予防し、他人への感染リスクも大きく低下させることができます。
しかし、正確な情報が十分には伝わっておらず、原因不明で有効な治療法がなく死に至る病であった時代の認識にとどまっている場合が少なくありません。そのことが、感染を心配する人たちを検査や治療から遠ざけ、偏見や差別を招く一因となっています。

肝炎は、肝臓の細胞が傷つけられ、その働きが損なわれる病気で、多くはB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスに起因するものです。
B型、C型肝炎ウイルスに感染した後、そのまま放置すれば、慢性化して肝炎になり、肝硬変や肝がんといった重篤な疾患へと進行するおそれがありますが、必要な検査や適切な治療をすれば、ウイルスの排除や抑制をして進行を抑えることができます。
普段の生活の中で感染することはありませんが十分に理解されていない結果として、偏見や差別に苦しんでいる肝炎ウイルスの感染者や患者も少なくありません。

令和2年、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、「コロナ差別」、「コロナいじめ」などと呼ばれる様々な人権問題が発生しました。
政府は、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」に基づき、感染者・濃厚接触者、医療関係者その他の対策に携わった方々やその家族に対して誤解や偏見によって差別を行うことがないよう呼びかけるなど、感染者等の人権が侵害されることのないよう、各種の取組を実施しています。

〔おすすめ貸出しDVD〕

「私たち一人ひとりができること ~当事者意識をもって考えるコロナ差別~」

〔おすすめ貸出し図書〕

「人類と病 国際政治から見る感染症と健康格差」詫摩 佳代
「感染症と人権 コロナ・ハンセン病問題から考える法の役割」内田 博文

〔関連資料〕

平成26年度人権啓発指導者養成研修会 採録コラム 名古屋会場 講義6 平成26年10月3日(金) [「当事者の視点から見る ~HIV・エイズの現状と人権をめぐる諸問題から~」]

平成25年度人権啓発指導者養成研修会 採録コラム 福岡会場 講義4 平成25年11月20日(水) [「HIV陽性者と人権 ~HIVと共に生きること~」]