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「人権を学ぼう」コーナー

これから「人権」を学びたい人のために日本の主な人権課題をご紹介します。

ハンセン病患者・ 元患者やその家族

ハンセン病元患者やその家族に対する偏見差別は、今なお社会に根深く残っています。
この偏見差別を解消するためには、ハンセン病問題に関する正しい知識と、元患者やその家族の方々がおかれている現実を理解し、それを次世代へも継承していくことが必要です。

ハンセン病は、「らい菌」に感染することで起こる感染症ですが、「らい菌」の感染力は弱く、非常に伝染しにくい病気です。仮に感染したとしても発病することは極めてまれで、現在では治療法も確立しているため、万一発病しても、早期に発見し適切な治療を行えば後遺症が残ることもありません。しかし、かつて我が国で採られた施設入所政策により、ハンセン病は恐ろしいというイメージが助長され、ハンセン病患者・元患者やその家族は、社会からのいわれのない差別や偏見の対象となってきました。
平成10年、国のハンセン病政策の転換が遅れたことなどの責任を問う「らい予防法違憲国家賠償請求訴訟」が療養所の入所者らにより提起され、平成13年5月11日、熊本地方裁判所において国の責任を認める判決が出されました。この判決に対し、政府は控訴を行わないこととし、同月25日付けで「ハンセン病問題の早期かつ全面的解決に向けての内閣総理大臣談話」を公表しました。
この判決以後、政府では、ハンセン病に関する正しい知識の普及啓発等に取り組んできましたが、偏見や差別の根絶には至らず、平成28年、患者・元患者の家族は、国に対し、ハンセン病家族国家賠償請求訴訟を提起しました。令和元年6月28日、熊本地方裁判所において、請求を一部認める判決が出されました。この判決に対し、政府は控訴を行わないこととし、同年7月12日付けで「ハンセン病家族国家賠償請求訴訟の判決受入れに当たっての内閣総理大臣談話」を公表しました。この総理談話においては、我が国においてかつて採られた施設入所政策の下で、患者・元患者のみならず、家族に対しても、社会において極めて厳しい偏見、差別が存在し、患者・元患者とその家族が苦痛と苦難を強いられてきたことに対し、政府としての深い反省とお詫びが示されるとともに、家族を対象とした新たな補償の措置を講ずること、関係省庁が連携・協力し、患者・元患者やその家族がおかれていた境遇を踏まえた人権啓発、人権教育などの普及啓発活動の強化に取り組むことが示されました。

〔おすすめ貸出しDVD〕

「ハンセン病問題を知る~元患者と家族の思い~」
「人権アーカイブ・シリーズ ハンセン病問題 ~過去からの証言、未来への提言/家族で考えるハンセン病」
「未来への虹 -ぼくのおじさんは、ハンセン病ー」

〔おすすめ貸出し図書〕

「いのちの輝き ハンセン病療養所退所者の体験記」大阪府
「ハンセン病療養所と自治の歴史」松岡 弘之
「13 (サーティーン) ハンセン病療養所からの言葉」石井 正則

〔おすすめ啓発動画〕

人権啓発ビデオ 人権アーカイブシリーズ「家族で考えるハンセン病」(一般向け)(日本語字幕)
人権啓発ビデオ 人権アーカイブシリーズ「ハンセン病問題 ~過去からの証言、未来への提言~」(人権教育・啓発担当者向け)(日本語字幕)
人権啓発ビデオ(4/6)「未来を拓く5つの扉~全国中学生人権作文コンテスト入賞作品朗読集~」NO!と言える強い心をもつ~ハンセン病問題から学んだこと~

YouTube人権チャンネル「HIV/ハンセン病患者、元患者とその家族」

〔関連資料〕

平成27年度人権啓発指導者養成研修会 採録コラム 東京会場 講義8 平成27年9月30日(水) [「ハンセン病と人権」]

平成25年度人権啓発指導者養成研修会 採録コラム 東京会場 講義4 平成25年9月4日(水) [「日本のハンセン病対策と人権侵害」]