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主要な人権関係条約

ILO「1930年の強制労働条約の2014年の議定書」採択 Protocol of 2014 to the Forced Labour Convention, 1930
情報の種類 主要な人権関係条約
タイトル ILO「1930年の強制労働条約の2014年の議定書」採択 Protocol of 2014 to the Forced Labour Convention, 1930
時期 2014/6/11
主体名 国際連合/ILO
【 内容 】

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(政府仮訳)
千九百三十年の強制労働条約の二千十四年の議定書
理事会によりジュネーブに招集されて、二千十四年五
国際労働機関の総会は、
月二十八日にその第百三回会期として会合し、
強制労働の禁止が基本的な権利の一部を成すものであること並びに強制労働が多数の男女及び少年少女の
人権及び尊厳を侵害し、貧困の永続化に寄与し、並びに全ての人に対する適切な仕事の確保の達成を妨げる
ものであることを認識し、
あらゆる形態の強制労働との戦いにおいて千九百三十年の強制労働条約(第二十九号)(以下「条約」と
いう。)及び千九百五十七年の強制労働の廃止に関する条約(第百五号)が不可欠の役割を果たすこと並び
にこれらの実施における間隙について対処すべき追加的な措置が必要であることを認識し、
条約第二条の規定に基づく強制労働の定義があらゆる形態の強制労働を対象とし、及び全ての人間に差別
なく適用されることを想起し、
あらゆる形態の強制労働を撤廃することの緊急性を強調し、
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強制労働を犯罪として処罰することができるようにし、及び法令によって科される刑罰が真に適正である
こと及び厳格に執行されることを確保する条約を批准した加盟国の義務を想起し、
条約に規定する経過期間が満了したこと並びに条約第一条2及び3並びに第三条から第二十四条までの規
定が適用されないことに留意し、
強制労働の状況及び形態が変化したこと、性的搾取を伴うことのある強制労働を目的とした人身取引につ
し、
いて国際的な関心が高まっていること並びにその効果的な撤廃のために緊急の行動が必要であることを認識
民間経済において強制労働に従事させられている労働者の数が増加していること、経済の特定の部門が特
に被害を受けやすいこと及び労働者の特定の集団(特に移民)が強制労働の被害者となる危険にさらされて
いることに留意し、
強制労働の効果的かつ持続的な廃止が使用者間の公正な競争及び労働者の保護を確保することに寄与する
ことに留意し、
関連する国際労働基準、特に、千九百四十八年の結社の自由及び団結権保護条約(第八十七号)、千九百
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四十九年の団結権及び団体交渉権条約(第九十八号)、千九百五十一年の同一報酬条約(第百号)、千九百
千九百九十九年の最悪の形態の児童労働条約(第百
五十八年の差別(雇用及び職業)条約(第百十一号)、千九百七十三年の最低年齢条約(第百三十八号)、
八十二号)、千九百四十九年の移民労働者条約(改正)
者条約(第百八十九号)、千九百九十七年の民間職業
(第九十七号)、千九百七十五年の移民労働者(補足規定)条約(第百四十三号)、二千十一年の家事労働
仲介事業所条約(第百八十一号)、千九百四十七年の
労働監督条約(第八十一号)、千九百六十九年の労働監督(農業)条約(第百二十九号)、労働における基
義に関する国際労働機関の宣言(二千八年)等を想起し、
本的な原則及び権利に関する国際労働機関の宣言(千九百九十八年)及び公正な地球規模化のための社会正
その他の関連する国際文書、特に、世界人権宣言(千九百四十八年)、市民的及び政治的権利に関する国
約(千九百二十六年)、奴隷制度、奴隷取引並びに奴
際規約(千九百六十六年)、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(千九百六十六年)、奴隷条
隷制度に類する制度及び慣行の廃止に関する補足条約
の取引を防止し、抑止し、及び処罰するための議定書(二千年)、陸路、海路及び空路により移民を密入国
(千九百五十六年)、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(二千年)、人(特に女性及び児童)
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させることの防止に関する議定書(二千年)、全ての移民労働者及びその家族の構成員の権利の保護に関す
る国際条約(千九百九十年)、拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関す
る条約(千九百八十四年)、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(千九百七十九年)及び
障害者の権利に関する条約(二千六年)に留意し、
前記の会期の議事日程の第四議題に従い、条約の実施における間隙に対処する提案の採択を決定し、強制
置が必要であることを再確認し、
労働の効果的かつ持続的な廃止を実現するために防止、保護及び救済(補償、リハビリテーション等)の措
次の議定書(引用に際しては、千九百三十年の強制労働条約の二千十四年の議定書と称することができ
その提案が条約の議定書の形式をとるべきであることを決定して、
る。)を二千十四年六月十一日に採択する。
第一条
1加盟国は、条約に基づき強制労働を廃止する義務を履行するに当たり、そのような強制労働を防止し、
及び撤廃し、被害者の保護及び適当かつ効果的な救済(補償等)を提供し、並びに強制労働の加害者に制
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裁を科するための効果的な措置をとる。
2加盟国は、使用者団体及び労働者団体と協議の上、強制労働の効果的かつ持続的な廃止のための国内政
適当な場合には、使用者団体及び労働者団体並びに他の関係する団体と調整の上行われる。
策及び行動計画を策定する。その策定については、権限のある機関による組織的な行動を伴うものとし、
3条約に規定する強制労働の定義を再確認し、よって、この議定書に規定する措置には、強制労働を目的
とする人身取引に対する具体的な措置を含む。
第二条
強制労働を防止するためにとるべき措置には、次のことを含む。
強制労働の被害者となることを防ぐため、人々(特に被害を受けやすいと考えられる人々)を教育
し、及び当該人々に情報を提供すること。
(a)
強制労働の慣行に関与することを防ぐため、使用者を教育し、及び情報を提供すること。
(b)
次のことを確保するために努力を払うことを約束すること。
(c)
強制労働の防止に関連する法令(適当な場合には、労働に関する法令を含む。)の範囲及び執行に
(i)
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ついては、全ての労働者及び経済の全ての部門に適用すること。
労働監督機関及びの法令の実施に責任を有する他の機関を強化すること。
(ⅱ)
(i)
募集及び職業紹介の過程において生じ得る不当な取扱い及び詐欺行為から人々(特に移民労働者)を
保護すること。
(d)
公私の部門の双方が強制労働の危険を防止し、及びこれに対応するため、十分な注意を払うことを支
援すること。
(e)
強制労働の危険性を高める根本的な原因及び要因に対処すること。
(f)
第三条
加盟国は、強制労働の全ての被害者の特定、解放、保護、回復及びリハビリテーション並びに他の形態の
援助及び支援の提供のために効果的な措置をとる。
第四条
1加盟国は、強制労働の全ての被害者(その所在又は自国の領域内における法的地位のいかんを問わな
い。)が適当かつ効果的な救済(補償等)を利用することができることを確保する。
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2加盟国は、自国の法制の基本原則に従い、強制労働の対象となったことの直接の結果として不法な行為
を与えられることを確保するため、必要な措置をとる。
への関与を強要された強制労働の被害者について、権限のある機関が訴追せず、又は刑罰を科さない権限
第五条
加盟国は、あらゆる形態の強制労働の防止及び撤廃を確保するため、相互に協力する。
第六条
この議定書及び条約を適用するための措置は、関係のある使用者団体及び労働者団体と協議した上で、国
内法令又は権限のある機関により決定される。
第七条
条約第一条2及び3並びに第三条から第二十四条までの経過規定を削る。
第八条
1加盟国は、この議定書の正式の批准を登録するため国際労働事務局長に通知することにより、条約の批
准と同時に又はその後にこの議定書を批准することができる。
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2この議定書は、二の加盟国による批准が事務局長により登録された日の後十二箇月で効力を生ずる。そ
を拘束する。
に対して効力を生じ、条約は、この議定書第一条から前条までの規定が追加されたものとして当該加盟国
の後は、この議定書は、いずれの加盟国についても、その批准が登録された日の後十二箇月でその加盟国
第九条
1この議定書を批准した加盟国は、条約が条約第三十条の規定に基づき廃棄のために開放されているとき
はいつでも、登録のため国際労働事務局長に送付する文書によってこの議定書を廃棄することができる。
2条約第三十条又は第三十二条の規定に基づく条約の廃棄は、当然にこの議定書の廃棄を伴う。
31又は2の規定に従って行う廃棄は、登録された日の後一年間は効力を生じない。
第十条
1国際労働事務局長は、加盟国から通知を受けた全ての批准、宣言及び廃棄について全ての加盟国に通報
する。
2国際労働事務局長は、二番目の批准の登録について加盟国に通報する際に、この議定書が効力を生ずる
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日につき加盟国の注意を喚起する。
第十一条
国際労働事務局長は、国際連合憲章第百二条の規定による登録のため、事務局長により登録された全ての
批准、宣言及び廃棄の完全な明細を国際連合事務総長に通知する。
第十二条
この議定書の英文及びフランス文は、ひとしく正文とする。